2016年3月31日木曜日

4-1 尖閣有事の際は、在沖海兵隊がただちに出動してくれる。 ???

 島嶼防衛の一義的な責任は自衛隊が担う、米軍は支援と補完をする、と「日米防衛協力のための指針」で決められています。アメリカは、尖閣が日中どちらに帰属するかには中立という立場で一貫しています。(#5-③参照)

 沖縄から海兵隊が戦地に向かうには、米海軍佐世保基地配属の強襲揚陸艦(ヘリ空母)ボノム・リシャールに、オスプレイと地上戦闘部隊を搭載します。佐世保から沖縄までは直線距離で800kmあり、船を持ってくるのに丸一日かかります。ただちに出動できません。(#3‐⑧参照)

 航続距離が長く、飛行速度が高いオスプレイが尖閣まで一飛びと信じ込まされている人が多いでしょうが、機体がヤワなオスプレイは、戦火が飛び交う戦場では使えません(#2-①参照)。南スーダン反政府ゲリラの銃に撃たれたら逃げる輸送機が、中国軍に対して何ができるのでしょうか。このことは、アメリカ議会の2011年調査報告書の中に、「イラクで、オスプレイは脅威が小さい戦場で効果的に使われた」とあることからも自明です。

 そもそも、尖閣の小島に海兵隊を運んでも、中国海軍の艦砲射撃の餌食になるだけです。海兵隊が尖閣に直行することはありえません。(佐藤)

この検証へのリンク:http://okidemaproject.blogspot.jp/2016/03/4-1.html