なんでこんなことがまことしやかに言われるかというと、日本国内の自衛隊や米軍基地の土地がほとんど国有地なのと違い、沖縄の米軍基地は個人や自治体の土地(民公有地)が70%と大半を占めていることに起因します。なんでそんな違いがあるのかというと、他都道府県では戦前の日本軍の基地(土地)が利用されていますが、沖縄の米軍基地は沖縄戦時およびその後の米国施政権下において米軍が人々の土地を強制接収した土地が多いからです。
沖縄県民は「基地のない島」を願い日本国憲法の下への復帰を目指しましたが、実際には1972年に施政権が日本に返還されたことで、沖縄の米軍基地はそのまま居座り続け日米安全保障条約に基づく日本国政府による米国への提供施設および区域となりました。日本国政府は、土地の権利者(地主)と契約を締結するようになりますが、その地料は、1972年以降右肩上がりで上昇を続けています。さらに政府は、軍事基地に土地を使わせたくない地主から強制的に土地使用できる法律までつくっています。
沖縄の基地問題は、基地の存在および活動から生じる騒音や事件事故等の被害もありますが、土地問題も大きいものがあります。基地が所在する自治体においても、基地は地域づくりの妨げになる一方で地料などの歳入が使途自由な一般財源として構造的に組み込まれており、それがなければ行財政に支障を来す財源になっている側面は否定できません。
それでは、基地の地主はどれほどの地料を得ているのでしょう。政府が2015年7月10日に閣議決定し明らかにした情報によると、2014年度末で普天間飛行場の地主は3,897人で年間地料は72億7,373万3,110円です。100万円未満の地料を受け取る地主が2,056人で全体の約52.8%。100万円以上200万円未満が821人で約21.1%。あと細かい分類は省きますが、大半の地主の年間地料は200万円未満ということがわかります。1千万円以上が81人で約2.1%おりますが、その中に六本木ヒルズに住んでいる人がいるかどうかはわかりません。(参照:衆議院議員照屋寛徳君提出米軍普天間飛行場の形成過程と軍用地料の支払額別所有者数等に関する質問に対する答弁書 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b189306.htm)(宮城)
この検証へのリンク:http://okidemaproject.blogspot.jp/2016/03/8-10.html