沖縄県に、日本の米軍「専用施設・区域」の74%が集中していることは事実です。自衛隊との共用施設を含めた全ての米軍施設・区域の中では、沖縄の比率は22.5%になるのも事実です。
ここで言う自衛隊と米軍の共用施設とは、公式には「一時使用施設・区域」(米軍が自衛隊施設を一定の期間を限って使う施設・区域)で、この全国での沖縄県での比率が22.5%です。
しかし、一時使用施設とは、どのような場所でしょうか。広大な面積を占めるのは、北海道の別海矢臼別大演習場、千歳演習場、上富良野中演習場、本州の大和王城寺原大演習場、富士演習場、九州の日出生台演習場等の原野の演習場です。例えば別海矢臼別大演習場は、168.1平方キロの面積で、沖縄の嘉手納飛行場・弾薬庫地区合計面積の46.4平方キロの3倍以上の面積ですが、所在自治体である別海町・厚岸町の人口は合計2万人。一方、嘉手納所在自治体の沖縄市、嘉手納町、北谷町の合計人口は18万人です。別海矢臼別は、在沖海兵隊が年に一度一週間、野戦砲を撃つ演習に使うだけです。一方、嘉手納飛行場・弾薬庫地区の面積だけで、沖縄県外の米軍「基地」=兵器と兵員が配備されている=横田、三沢、厚木、岩国、横須賀、佐世保の「全ての」合計面積よりも大きいのです。
また、在沖米軍は、沖縄への集中は40%でしかないという数字を最近宣伝しています。これはおそらく、専用施設・区域の中で、自衛隊が使用できることになっている共同使用施設・区域という範疇があり、それを差し引いた面積の沖縄での比率を計算しているのでしょう。しかし、共同使用施設・区域は、あくまでも「米軍基地」であり、防衛省統計でも、これは米軍専用施設・区域に含まれています。
23%や40%という数字を出して沖縄に米軍基地は集中していないと主張することこそ、数字の詐術です。(参照:防衛省「在日米軍施設・区域別一覧」)。(佐藤)
この検証へのリンク:http://okidemaproject.blogspot.jp/2016/03/1-107423.html
(修正 2016/05/12)