米海兵隊MV-22オスプレイは、飛行速度時速560km、後続距離3,900kmの高性能垂直離着陸機であるとの宣伝がなされ、「尖閣へ直行・直帰」(例えば「時事ドットコム」)というような記事が書かれてきました。一方、オスプレイは、開発段階で墜落事故が相次ぎ、欠陥機という批判も広くなされてきました。
オスプレイの本質的問題は、単なる輸送機として、1機200億円以上という超高額な機種であることと、日本が期待しているような尖閣での戦闘に直行するというような機能は持たないということです。
米空軍はCV-22オスプレイを特殊部隊用に持っています。空軍は、2013年12月に南スーダン内戦で、反政府ゲリラ占領地域に残された米国人の救出に、オスプレイを飛ばしました。ところが南スーダン反政府ゲリラの手持ち機関銃AK-47に撃たれ、弾丸が機体を貫通し、米兵が重傷を負い、救出作戦を中断して逃げました。空軍はこの事件の後、オスプレイ機体の脆弱性に懲りて、機内に鉄板を内貼りする装甲強化を施しました。海兵隊オスプレイの役割は、地上戦闘部隊兵員を運ぶことであり、輸送兵員数を減らすことになるため、海兵隊はこの改造をしていません。つまり、沖縄にいるオスプレイは、弾丸が飛び交う戦場には行けないのです。
この詳細は、ニューヨークタイムス記事検索で”South Sudan Osprey”と入れれば、南スーダン事件の第一報と続報、米国軍事産業ニュースサイトBreaking Defenseの記事検索”AFSOC Osprey Armor UP”で、空軍オスプレイ鉄板内貼りの写真も見られます。これらのことは、日本のメディアでは、ほとんど報道されてきませんでした。(佐藤)
この検証へのリンク:http://okidemaproject.blogspot.jp/2016/03/2-1.html