海外旅行で日本製家電を使うときアダプターを持っていきます。地位協定はそのような「装置」と同じです。米軍が日本の国内法を守ると軍隊として機能しなくなります。飛行場で弾薬を乗せた飛行機を飛ばすと違法行為になり、日本に入るとき入国管理手続き、手荷物検査などをいちいち受けなくてはなりません。そうした日本の法規制を除外するのが地位協定です。一方、自国のルールを守らせることは主権の問題です。ですから、そのバランスが問題となります。英国やイタリアにも米軍は駐留し、日米地位協定とほぼ同じ内容の地位協定があります。大きな違いは英伊では基地の管理権を渡さないので、例えば軍用機を飛ばす回数や時間帯など細かく規制できます。そんな意識がない日本では米軍がやりたい放題です。米軍を自国の安保政策に利用する意図はどの同盟国も同じです。でも主権意識の希薄さが地位協定の運用に現れ、日本は特権を与え過ぎる問題があります。(屋良)
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