2016年3月31日木曜日

5-3 中国が尖閣諸島を狙っており、沖縄の米軍が守ってくれている。 ???

 「尖閣諸島が日米安全保障条約第6条での米軍への提供施設だから、米軍は尖閣を守る義務がある」と日本では宣伝されています。この前提は、何重にも無理・無知が前提となっています。

 まず、安保6条で提供されているのは、「尖閣諸島」でも、尖閣最大の魚釣島でもありません。具体的な提供施設一覧である、「日米合同会議議事録1972年5月15日」には、尖閣諸島の中の「黄尾嶼」「赤尾嶼」が射爆場として載っています。これらは、日本名が久場島、大正島ですが、議事録には中国名(正確には琉球の名称)で掲載されています。ですから、この二島以外を中国が占拠しても、日米安保とは関係無いと言うことです。さらに、米政府の尖閣領有権への立場は、1952年サンフランシスコ平和条約から、現在に至るまで、一貫して「中立」です。以上から、アメリカがこれらの島のために中国と戦争してくれると期待するのは無理です。アメリカは戦争しない理屈なら幾らでも作れます。

 さらに、2015年4月に、「日米防衛協力のための指針」が改定されましたが、そこで、島嶼を含む陸上の防衛は、自衛隊が一義的な責任を負い(=真っ先に)、米軍の役割は、支援と補完であると明記されています。支援と補完には、真っ先に戦闘に行くという意味はありません。(#③‐①参照)(佐藤)

この検証へのリンク:http://okidemaproject.blogspot.jp/2016/03/5-3.html