中国による南沙諸島での人工島建設の報道を聞いて、あたかも南沙諸島全域か大半を中国が武力で手中に収めたかのように思っている人も多いようですが、現在、実効支配している島や礁の数はベトナムが一番多く20以上、フィリピンが9、中国が7、マレーシアが5以上、台湾が1という現状です。中国の人工島建設は、2002年の時点で中国が既に実効支配していた所を埋めたてて広げているだけで、中国もぎりぎり行動宣言の枠内に踏みとどまっているといえるのです。南沙諸島の領有権紛争の歴史と現状を考えると、紛争回避に最も効果を発揮してきたのは、南シナ海行動宣言を中国にのませたASEANのような外交努力であり、米軍基地の存在による「抑止力」ではないことが分かります。そもそも米軍は同盟国であっても他国との領有権紛争には積極的にかかわろうとはしません。(石山)
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