まず、少なくとも南沙諸島全域を中国に「奪われた」事実はありません。米軍がフィリピンから撤退し、すべての米軍基地がなくなったのは1992年ですが、その時点でフィリピンが実効支配していた南沙諸島の島は今もフィリピンの実効支配下にあります。95年に中国が、南沙諸島海域で、まだどこの国・地域も実効支配していなかったミスチーフ礁(中国名・美済礁)を、新たに実効支配したのは事実ですが、フィリピンが支配していた島や礁を武力で奪ったわけではありません。フィリピンはこの中国の動きに対抗して、99年にはセカンドトーマス礁(フィリピン名・アユギン礁)に廃船を座礁させ、新たに実効支配しています。この礁も、どの国・地域も実効支配していなかった場所でしたが、最後に実効支配を広げたのは実はフィリピンなのです。(石山)
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