辺野古をはじめ、豊原、久志、二見、大浦、瀬嵩、汀間などの近隣集落において、生活の場で、人が交わる日常の場で、「反対」または「賛成」を明言することや態度で表すことは簡単なことではありません。ゲート前や海上の反対運動や抗議活動に加わることも、あるいは逆に抗議活動に明白に反対の態度を示すこともです。集落への補助金や様々な利益の可能性への期待、反対へのあきらめなどもあり、集落によって違いはありますが容認している人も少なからずいることも事実です。しかし、いずれの立場でも多くの方々は、長年にわたる対立で疲弊しています。対立は、集落の一体性や共同性を突き崩し、共同や相互扶助の取り組みにとってはその障害となるので、基本的には「賛成」、「反対」をおおっぴらに表明することは困難なのです。
ゲート前や海上の抗議行動に加わる周辺集落在住の方々もいますが、周辺集落以外の地域からの参加者が多いことは確かです。しかし、辺野古基地の建設現場は、宜野湾市普天間飛行場から40キロも離れていない距離にあり、札幌市や広島市などの政令指定都市に置き換えると、市内移設となる近い距離にあります。かりに建設されるとなると、沖縄本島周辺全体の沿岸及び海域に影響が生じることが考えられ、オスプレイの訓練空域は沖縄本島全体を覆うがゆえに、中南部であっても大きな影響を受けます。そもそも、「地元」を狭く狭く解釈して、辺野古、豊原、久志の三集落だけに限定する考え方に問題があります。(島袋)
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